原発不明がんの診断

原発不明がんの診断と治療方針

市立札幌病院で追加検査を受け、原発不明がんという病名を知ってから、手術を選択するまでの記録です。

記録した時期
2022年1月28日〜2月10日
原文公開日
この内容の最終追記

次の段階(市立札幌病院)

市立札幌病院の建物
市立札幌病院。画像:禁樹なずな、Wikimedia CommonsCC BY-SA 4.0。画像の改変はしていません。

1月28日(金)の続き

耳鼻咽喉科麻生病院からの紹介状と検査データ(CD)をもって、市立札幌病院の外来に入りました。ここからは、市立札幌病院での話になります。

耳鼻咽喉科で「ファイバースコープ」「触診」「血液検査」「画像診断(麻生病院からのデータ)」を行いました。診察の結果、ここで初めて「原発不明がん」と言う病名を知りました。

ただこの時は、この「原発不明がん」と言う病気の危険性をまったく理解していませんでしたし、軽く何かの間違いだろうぐらいに思っていました。なにせ発熱もなければ痛みもないので、危機感がまるでありませんでした。

時事メディカル『原発不明がんの治療薬』の記事画像
画像出典:時事メディカル「原発不明がんの治療薬~日本で使用可能に」

2月1日(火)

「PET/CT-FDG検査(通称ペット検査)」を受けました。このペット検査を受ける理由が診療明細に書かれていました(初めて「原発不明がん」の文字を見て、聞き間違いじゃなかったと認識します)。

PET検査の理由として原発不明癌と記載された診療明細の一部
PET検査の理由が書かれていた診療明細(個人情報削除済み)

2月3日(木)

「ペット検査」でも原発巣を特定できませんでした。「穿刺吸引細胞診」「上部消化管内視鏡検査」を受けます。「上部消化管内視鏡検査」の結果はその場で「問題ありません」で、あとは「穿刺吸引細胞診」の結果待ちでした。

2月7日(月)

担当の先生から電話があり「細胞診の結果、悪性腫瘍で間違いありませんでした。『がん』です。」と……いや、普通は奥さんと一緒に病院で……とか言うんじゃないの?いきなり電話で言う事?ま~私には合ってるか。疑問符は湧きましたが、緊急性があるんだろうなと思いなおして、先生の話の続きを聞きます。

「治療方法としては手術+化学療法、手術のみ、化学療法のみの選択がありますが、どれにしますか?それぞれ、メリットとデメリットがあります。etc」って言っていることが頭に入らず「一番確実に癌を消せる方法で……」としか言えずでした。

「では手術など治療の打ち合わせをしますので、明日来院できますか?」と……ここまで明確に「がん」を告げられたので、明日もいつも通りで一人で受診しよう。

オンコロの記事に掲載された原発不明がんに関するスライド
画像出典:がん情報サイト「オンコロ」の原発不明がん関連記事

実は、この「何月何日に何をした?」のまとめ記録は、この2月7日のがん宣告をきっかけに記録を開始しました。自力で調べた結果、原発不明がんと診断されるケースは少なく希少がんに該当し、予後は明るくないと分かったので、万が一の事態になったとしても記録を残しておけば何かの役にたつかな?……と思ったからです。

原発不明がんは、調べれば調べるほど「良くない情報」しか見つけることができず、最悪の場合は余命2カ月しか持たない?雪解けまで持たない?長くても6~12カ月? 5年生存率はほぼゼロじゃん……と、ヤバすぎる情報しか見つけられず、変な言い方ですが「諦め感」が強く出てしまって、これで「終わりか」と意外と冷静でした。

2月8日(火)

手術に向けての「血液検査」「細胞診」「胸部X線」「心電図」「呼吸機能検査」と検査を行いました。

診察前に看護師さんから「ご家族は?」と聞かれて「連れてきた方がよかったです?もう癌だって聞いているので、一人で良いかと……」と、何とも噛み合わない会話をしてました。

先生に「ちなみに、がんのステージは?」と聞くと「原発不明がんにステージはないんですよ。原発が分からないので設定が無いんです。強いて言うなら、既にリンパ節にがんが転移している状態なので『ステージ4』です。ただ、口蓋扁桃(扁桃腺)が原発巣だった場合は、『ステージ2』です」との事。

妻には言えない。ステージ4なんて絶望的に聞こえちゃって。義母は癌が原因でこの世を去っているので、とても言えない……

でも、既に妻は「原発不明がん」を調べまくっていて、相当落ち込んだようですが、そんな様子は一切私には見せていませんでした。

2月10日(木)

妻と一緒に病院へ。先生が手術の話(術式や内容、リスク、後遺症の可能性など)や化学療法のみでの治療などの選択肢を、丁寧に説明をしてくれました。最終的に選択したのは「手術+化学療法」でした。なお、手術の予定時間は7時間とのことで長くない?と思いました。

また「同時に行うと術後に辛い痛みを伴いますが、右頸部郭清術と同時に両方の扁桃腺の摘出と、ランダムな細胞摘出も行いましょう。運よく扁桃腺に原発があれば、がんを摘出してしまう事ができるし、その後に化学療法を行えば、がんを根治できる可能性が高くなります。ただ、術後は本当に痛いですがやりますか?」との問いに、「やります!根治の可能性が高い事はすべてやります!化学療法もやります!」と言い切ったのですが、手術後の目覚めたとき、マジで言わなきゃよかったと全力で後悔することになります。

この日は、手術で気管内挿管を行うので口腔内をきれいに保つ必要があるということで(感染症防止の観点など)、口腔外科を受診し「パノラマ撮影」を行って、歯周病のチェックや歯磨き、舌苔の落とし方などの指導を受けました。また、気管内挿管時に歯を守るマウスピース(気管挿管用口腔内装置)も作成しました。

岡山大学病院頭頸部がんセンターの説明画像
画像出典:岡山大学病院 頭頸部がんセンター

以下の論文紹介にも書いていますが、「口蓋扁桃摘出術は高い原発腫瘍検出力(34%)があることが示されました。」とあります。私の場合、このケースにハマってくれたようです。

原発不明がんって助かるの?

多くの論文や病院の出している情報では「予後不良が多い」と書かれています。しかし、原発巣が見つかれば原発不明がんではなくなり、適切な治療を受けられます。また、検査の方法も日々進歩しているので、原発巣を見つけられる確率は日々向上していると思います。ただ、「既にがんが転移している状態」なので、のんびりと様子見している事はできないと私は思いました。

移行元:Blogspot版「原発不明がん、中咽頭がん患者の私的まとめ」